「全負荷と単機能、どっちがいいの?」と検索して、なんだか話がかみ合わないと感じませんでしたか。
この2つは、そもそも比べる軸が違います。
負荷方式とシステム方式という別々の軸を分けて考えれば、選ぶべき組み合わせは自然に絞れます。
容量の決め方まで一気に整理しました。
営業さんに「全負荷の単機能です」と言われたけど、正直よく分かってないままなんですよね…
そこ、混乱して当然です。
まず「2つの軸がある」と分かるだけで一気にラクになりますよ。
結論|太陽光を設置して5年以内なら「全負荷×単機能」が第一候補
「全負荷か単機能か」ではなく、「全負荷×単機能」という組み合わせで考えるのが正解です。
停電時に家中の電気を使いたいなら全負荷。
太陽光のパワコンがまだ新しいなら単機能。
太陽光の設置から5年以内で、オール電化や200V機器を停電時も使いたい家庭は、この組み合わせがいちばん無駄がありません。

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この3社はいずれも無料の一括見積もりサービスで、記事後半で詳しく紹介します。
ただ、サービスを使う前に判断軸を持っておかないと、出てきた見積もりを比べられません。
まずは2つの軸を分けるところから始めましょう。
いきなり見積もりはハードルが高いです…
大丈夫。
判断軸を持ってから使うほうが、結果的に早く決まりますよ。
「全負荷/特定負荷」と「単機能/ハイブリッド」は別々の軸
ここが今回いちばん大事なところです。
全負荷と単機能は、対立する選択肢ではありません。
それぞれまったく別のことを表す言葉で、掛け合わせて初めて1台の蓄電池が決まります。
負荷方式|停電したとき、電気がどこまで届くか
「負荷」とは電気を消費する機器のこと。
冷蔵庫も照明もエアコンも、全部が負荷です。
家の中の負荷は分電盤から枝分かれして配線されています。
停電時にその枝のうち何本に電気を流すかで、特定負荷型と全負荷型に分かれます。
- 特定負荷型: あらかじめ選んだ回路だけに給電。2〜4回路が基本で、200V機器は使えないことが多い
- 全負荷型: 家中すべての照明・コンセントに給電。エアコンやIHクッキングヒーター、エコキュートなど200V機器も動かせる
特定負荷型は消費を絞れるので、同じ容量でも電気を長持ちさせられます。
逆に全負荷型は、うっかり普段どおりに使うと一気に減ります。
全負荷なら停電中も何も気にしなくていい、というわけじゃないんですね。
システム方式|太陽光のパワコンを残すか、置き換えるか
もう一方の軸が、パワーコンディショナ(パワコン)の持ち方です。
単機能型は、太陽光用のパワコンをそのまま残して蓄電池専用のパワコンを追加します。
ハイブリッド型は、太陽光用と蓄電池用を1台にまとめます。
だから単機能型は既設の太陽光をいじらずに済み、撤去費用もかかりません。
代わりにパワコンが2台になるので、置き場所は必要になります。
効率の差もはっきりしていて、電気の変換ロスは単機能型が18%、ハイブリッド型が6%とされています。
ロス12%の差は大きく見えますが、単機能型は同じ価格で容量を大きくできるので、そこでカバーできる場合も多いんです。
掛け合わせると蓄電池は4タイプになる
2つの軸を組み合わせると、家庭用蓄電池は次の4タイプに整理できます。
| 組み合わせ | 停電時の使い勝手 | 向いている家 |
|---|---|---|
| 全負荷×単機能 | 家中使えるが、太陽光からの充電は手動操作が必要 | 太陽光の設置から日が浅く、オール電化の家 |
| 全負荷×ハイブリッド | 家中使えて、操作なしで太陽光からも充電 | パワコンが交換時期に近い家 |
| 特定負荷×単機能 | 選んだ回路のみ。操作が必要 | 費用を抑えて最低限の備えをしたい家 |
| 特定負荷×ハイブリッド | 選んだ回路のみ。操作は不要 | 電気の使用量が少なく、効率も重視する家 |
ここに、太陽光と接続しない「スタンドアロン型」を加えて5分類とする考え方もあります。
4つに整理されると、急に自分の家がどこに入るか見えてきました。
全負荷×単機能を選ぶ4つのメリット
この組み合わせが支持される理由は、はっきりしています。
- 停電時に200V機器まで動く。エアコン・IH・エコキュートを我慢しなくていい
- 既設の太陽光パワコンを外さずに済み、撤去費用がかからない
- 太陽光の保証がそのまま残る。メーカーを揃える必要もない
- 太陽光がない家でも設置できる。夜間の安い電気を貯める使い方に向く
特に効いてくるのが、2つ目と3つ目です。
ハイブリッド型にすると太陽光用のパワコンを撤去することになり、残っていた保証やメーカー補償が無駄になることがあります。
設置から数年しか経っていないなら、もったいない話ですよね。
同じ12kWhでも、単機能型の定価が370万円、ハイブリッド型が420万円という比較データがあります。
1kWhあたりの単価に直すと、同じ金額でおよそ2kWh分ほど容量を大きくできる計算です。
変換ロスで負けても、容量で取り返す。
単機能型の戦い方はここなんですよね。
全負荷×単機能で後悔しやすい3つのポイント
いい話ばかりではありません。
この組み合わせには、カタログを眺めているだけでは気づきにくい落とし穴があります。
- 停電時、太陽光から蓄電池へ充電するには手動でパワコンを切り替える必要がある
- 契約アンペア次第では、全負荷型を買っても全負荷にならないことがある
- パワコンが2台になるため設置スペースが必要で、屋外設置が基本になる
どれも「知らずに契約したら困るやつ」ばかりですね。
停電中の充電は「自立運転モード」への切り替えが要る
ハイブリッド型なら、停電しても何もしなくて大丈夫です。
単機能型はそうはいきません。
太陽光で発電した電気を蓄電池に回すには、パワコンを手動で自立運転モードに切り替える必要があります。
蓄電池からの給電を確認する
停電が起きると、蓄電池から家へ自動で給電が始まります。
太陽光パワコンを自立運転に切り替える
運転モードを「系統モード」から「自立運転モード」へ手動で変更します。
自立運転コンセントの位置を把握しておく
切り替え方法は機種ごとに違うので、取扱説明書を今のうちに確認しておくのが確実です。
使う家電に優先順位をつける
停電時は太陽光パワコンの出力が1.5kWまでに制限されるため、使いすぎるとすぐ底をつきます。
近ごろは、この切り替えを自動でやってくれる全負荷対応の単機能型も増えているそうです。
見積もり時に確認しておきたい項目のひとつですね。
台風の夜に説明書を探すの、絶対イヤですね…。
今のうちに読んでおきます。
75A契約の家に60A対応の蓄電池を入れると「全負荷」にならない
これが一番こわい落とし穴です。
全負荷型がバックアップできるアンペア数には、機種ごとに上限があります。
電力会社との契約が75Aなのに、60Aまでしか対応しない全負荷蓄電池を設置すると、実質は特定負荷の使い方になってしまいます。
- 分電盤の大元(大ブレーカー)のアンペア数を見る
- 検討中の機種が何アンペアまで対応するかを販売店に確認する
- 一般家庭は30〜60Aの契約が多く、60A以内なら多くの機種が対応する
- テスラパワーウォールはバックアップ上限が75A(15kVA)とされている
「全負荷型を買ったのに寝室が使えない」という事態は、この確認だけで防げます。
分電盤の写真をスマホで撮っておくと、見積もり相談がスムーズです。
屋外設置が基本。水害リスクのある土地では基礎も考える
単機能型は容量も重量も大きめで、屋外設置のモデルが中心です。
水没すると当然動かなくなります。
地面から20cmほど基礎を上げるのが推奨とされていますが、浸水想定区域ではもっと高い基礎が必要になり、その分だけ工事費が上がります。
停電対策のために入れた設備が、水害由来の停電で使えない。
それでは本末転倒です。
ハザードマップを一度見ておくと、基礎の高さの話が自分ごとになります。
家族人数と停電時の使い方から容量を決める
負荷方式が決まったら、次は容量です。
ここを「大は小を兼ねる」と決めると、費用だけが膨らみます。
容量別の目安をざっくり掴む
| 容量帯 | 想定する世帯 | 停電時にできること |
|---|---|---|
| 4〜7kWh(小容量) | 1〜2人暮らし、電化製品が少ない家 | 冷蔵庫・照明・スマホ充電など最低限 |
| 7〜10kWh(中容量) | 3〜4人家族の標準的な家 | エアコンや電子レンジも含め数時間〜半日程度 |
| 10kWh以上(大容量) | 5人以上、オール電化、二世帯 | 200V機器を我慢せず長時間。数日の停電にも対応 |
うちは4人家族なので、7〜10kWhかなと思っていました。
全負荷型を狙うなら、現実的には10kWh以上が視野に入ってきます。
家中の回路に給電する以上、消費のスピードが速いからです。
エコ発の成約データでは、購入者の約半数が10kWh以上を選んでいます。
思っていたより大容量が主流なんですね。
「何時間もつか」を具体例で確かめる
長州産業のスマートPVマルチ16.4kWhは、停電時に約29時間の連続使用が可能とされています(使用状況による)。
オムロンのマルチ蓄電プラットフォーム16.4kWhは、約285W相当の使用で満充電から約45時間という試算です。
冷蔵庫・テレビ・照明・スマホ充電あたりを想定した数字ですね。
同じ容量でも、何をどれだけ使うかで倍近く変わるということです。
29時間と45時間。
この差を作るのは機種ではなく使い方です。
まず自分の家の電気使用量を知るところからです。
毎月の電気料金明細を見れば、月あたりのkWhがすぐ分かります。
電力会社のWEB明細なら、時間帯ごとの細かい使用量まで見られる場合もありますよ。
- 直近12カ月の電気使用量(kWh)を明細で確認した
- 停電時に絶対に止めたくない家電を3つ書き出した
- 200V機器(IH・エコキュート・大型エアコン)の有無を確認した
- 太陽光の発電容量(kW)を把握している
- 屋外に幅1m前後・重量150kg級の機器を置ける場所がある
このチェックが埋まっていれば、見積もり相談の精度が段違いに上がります。
太陽光の設置年数で、単機能かハイブリッドかは決まる
最後の分岐点は、太陽光をいつ載せたかです。
判断材料はシンプルで、パワコンの残り寿命だけを見ればいい。
設置から5年以内なら単機能型が素直
パワコンの寿命は10〜15年とされています。
設置5年でハイブリッド型に替えると、まだ半分以上の寿命を残した機器を捨てることになります。
保証期間が残っているケースも多く、その権利も一緒に手放す形です。
この段階なら、単機能型で蓄電池だけを足すほうが理にかなっています。
設置から10年前後ならハイブリッド型も検討に入る
逆に、パワコンが交換時期に差しかかっているなら話は変わります。
どうせ交換するなら、ハイブリッド型のパワコンに置き換えて変換ロスを減らすほうが得です。
FIT(固定価格買取制度)が終わっていれば、売電より自家消費に寄せる意味も大きくなります。
オムロンの公式解説によると、まず単機能蓄電システムを導入する道があります。
太陽光パワコンが故障したタイミングで機器を追加すれば、ハイブリッド蓄電システムへ進化させられます。
さらに、ハイブリッド蓄電システムはトランスユニットなどの後付けで全負荷型へ進化させることも可能とされています。
詳細はオムロン ソーシアルソリューションズの公式ページで確認できます。
「今は単機能、将来は全負荷ハイブリッド」という育て方ができるわけです。
個人的には、これがいちばん現実的な落としどころだと思ってます。
一発で完璧な構成を決めなくていいと分かって、気がラクになりました。
全負荷型そのものの選び方をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
全負荷×単機能に対応する主なメーカーを比較
全負荷に対応した単機能型を出しているメーカーは、実はそう多くありません。
家庭用蓄電池.comの調査では、ニチコン・スマートスター(伊藤忠商事)・スマートソーラー・テスラの4社が挙げられています。
| 項目 | ニチコン | スマートスター |
|---|---|---|
| 停電出力 | 5,900W† | 3,000W† |
| 蓄電容量 | 11.1kWh〜 | 9.8kWh〜 |
| 実効容量 | 9.4kWh〜† | 8.8kWh〜† |
| 保証 | 15年 | 10年 |
| 項目 | スマートソーラー | テスラ |
|---|---|---|
| 停電出力 | 4,000W† | 5,500W† |
| 蓄電容量 | 11.5kWh | 13.5kWh |
| 実効容量 | 9.5kWh† | — |
| 保証 | 15年 | 10年 |
† 公式情報での確認が取れず、調査による参考値
4社とも寿命は6,000サイクル、設置場所は屋外という点で共通しています。
停電出力が3,000Wと5,900Wでは、同時に動かせる家電の数がまるで違います。
ここは要チェックです。
ニチコン|容量と保証で選ぶなら
単機能蓄電システムは11.1kWhと16.6kWhの2タイプ。
16.6kWhは業界最大級の容量です。
蓄電池用パワコンが本体に内蔵されているので、見た目もすっきりします。
同社のV2Hシステム「EVパワー・ステーション」との連携にも対応しています。
詳細はニチコン公式サイトで確認できます。
スマートスター|AI制御で日々の電気代を削る
伊藤忠商事が総販売元で、製造元は株式会社NFブロッサムテクノロジーズです。
容量は9.8kWhと13.16kWhで、保証は10年、設置は屋外です。
AIが日々の電気の使われ方を学習し、発電量と消費量を予測して運用してくれます。
同じ「全負荷×単機能」でも、メーカーごとに得意分野がはっきり分かれてます。
テスラ・スマートソーラー|設置環境に制約がある家の選択肢
寒冷地と塩害地では、選べる機種がぐっと絞られます。
-20℃の屋外設置に対応するのはテスラ製、海岸から500m以内の重塩害エリアで屋外設置するならスマートソーラー製、という整理になります。
屋内に置きたい場合はLooopのエネブロックという選択肢もあります。
全負荷対応の単機能蓄電池の中で屋内設置ができるのはLOOOP蓄電池ですが、塩害エリアで屋外設置を希望する方はスマートソーラー蓄電池しか適用機種がありません。
太陽光発電と蓄電池をお伝えするブログ「全負荷対応の単機能型蓄電池の特徴」
販売の現場でも、設置年数と契約アンペアが判断の軸になっているのが分かります。
売る側の人が「もったいない」と言うの、逆に信用できますね。
災害時の備えという観点で全負荷型を掘り下げた記事もあります。
価格相場と補助金|実質いくらで導入できるか
気になるお金の話です。
エコ発電本舗が公開している相場では、工事費込み・税込の販売価格の総額が125万〜300万円とされています。
対応する蓄電容量は5〜21kWhの幅です。
容量が大きいほど1kWhあたりは安くなります。
長州産業スマートPVマルチなら、16.4kWhは6.5kWhより1kWhあたり10万円ほど安いという比較が示されています。
テスラパワーウォールについては、製品本体価格が1,100,000円(税抜)、工事費や基礎費用を加えると約180万〜200万円という費用感が紹介されています†。
† 公式サイトに料金表の掲載なし、調査による参考値
同じ機種でも販売店で価格が大きく変わります。
相見積もりが効くのはここです。
補助金は国と自治体の併用も狙える
初期費用を下げる手段が補助金です。
遠隔で充放電を制御するDR(デマンドレスポンス)対応の蓄電池には、国から補助が出ています。
東京都のように独自の制度を持つ自治体もあり、条件が合えば国と自治体の併用が可能なケースもあります。
- 予算上限があり、受付開始から数週間〜数カ月で締め切られることがある
- 対象機種として登録されているかを機種ごとに確認する必要がある
- 申請は施工会社が代行することが多く、業者選びの段階で決まる
制度の最新情報は、資源エネルギー庁や環境省の公式サイト、お住まいの自治体の窓口で確認してください。
金額や期限は年度ごとに変わるので、ここでは具体的な額は書きません。
補助金の枠、ほんとに早い者勝ちなんですね…。
全負荷×単機能の見積もりを取るなら|蓄電池の一括見積もりサービス3選
機種の目星がついても、価格は販売店で大きく変わります。
訪問販売の即決を避け、2〜3社の相見積もりを取る。
これが失敗回避の唯一の方法だと言われるくらいです。
全負荷対応の単機能型を扱えるか、既設パワコンを残せるかも、見積もり段階で必ず聞いてください。

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ソーラーパートナーズ(蓄電池)

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タイナビ蓄電池

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2社目の見積もりで価格が下がった、という話はよく聞きますよね。
機種そのものの比較は、こちらの記事でまとめています。
蓄電池の全負荷・単機能に関するよくある質問
まとめ|負荷方式とシステム方式は別々に決める
- 全負荷/特定負荷は「停電時にどこまで給電するか」、単機能/ハイブリッドは「太陽光パワコンを残すか」の別々の軸
- 掛け合わせると蓄電池は4タイプになり、全負荷×単機能は太陽光設置から日が浅い家に向く
- 単機能型は停電時の充電に自立運転モードへの手動切替が必要で、変換ロスは18%
- 75A契約に60A対応機を入れると全負荷にならないため、分電盤の確認は必須
- 全負荷を狙うなら容量は10kWh以上が現実的で、総額は工事費込み125万〜300万円が目安
結局のところ、迷いの正体は「2つの軸をひとつだと思っていた」ことでした。
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この2つを持って見積もりに臨めば、話は驚くほど早く進みます。




